時代とともに変わっている小学校の生活様式やアイテム。
コロナの影響もあり、昭和や平成の“学校の常識”が、令和では非常識になっていることもあります。
調べてみると平成の30年間で少しずつですが、いろいろなことが変わってきているようです。
では、実際学校にどのような変化があったのか、列挙してみたいと思います。
(筆者が住んでいる自治体の例です。すべての自治体に当てはまることではないことをご了承ください。)
人権
体罰の禁止の徹底はもちろんのこと、男女平等、配慮を要する子、困り感をもっている子への支援、担任が抱えずチームで指導等、多様性への対応が最も大きな変化だと言えるでしょう。
・男女別名簿→男女混合名簿
・男子は「くん」女子は「さん」→男女とも「さん」づけ
・席替えはくじ引き→担任が決める
・個別支援級の名称は「なかよし級」など→4,5組など一般級と同じ名称
・男女とも同じ場所で着替える→カーテンで教室の前後を仕切り、男女別に着替える
・水泳の授業の際、教室はそのまま→着替えた後施錠
・林間学校、修学旅行では男女共に大浴場ではなく個室のお風呂でも対応
・不登校児は学校に来られるように指導→無理に登校を促さない
・体罰は禁止だが躾の一環→体罰は絶対禁止
・卒業式の呼名は呼びつけ→「さん」付けの学校が増える
・卒業式の子どもの服装は女子はブレザーにスカート、男子は中学の制服が多い→スーツ、ブレザーなど多様化。
・名札 2003年の個人情報保護法の施行や、全国的に多発する登下校時の連れ去り事件などの影響で、名札を付けないようになった。
・連絡網 2003年の個人情報保護法の施行やプライバシーへの意識の高まり、メールの普及から、連絡網を作らない学校が増えた。
・避難訓練は「地震」「火事」→それらに加えて「不審者対応」
改めて見てみると、法律によって正された部分も多いですね。
授業
子どもに関することで最も大きな変化は「人権感覚」と「チームでの指導」でしょう。
・1992年から小学1~2年生が受ける科目で理科と社会を統合した生活科の授業ができました。
・基本的にクラスのことは担任がすべて対応→学年でチームとして対応
・授業は「音楽」「家庭」等の専科以外は担任が行う→算数少人数、学年間で授業を交換等、多くの先生が関わりながら授業を行う
・児童指導は担任が行う→指導支援専任や学年主任と連携しながら
・年に数回の国際理解教室→毎週行われる英語の授業
・緊急時は地区別集団下校→引き取り下校
・集団下校訓練→引き取り下校訓練
持ち物
持ち物の色は多様化し、革のランドセルではなく軽量のリュックタイプも徐々に浸透してきています。
・男子のランドセルは黒、女子のランドセルは赤→男女共にカラーは自由
・女子の体操着はブルマ→男女共ハーフパンツ
・黄色い帽子をかぶって登校→指定なし
・名札を付けて登校→名札はつけない。1年生は学校に着いてから着ける
・防犯グッズへもっていない→入学式で防犯ブザー付きスマートフォンを配布
・体育館を使うときは上履きから体育館履きに履き替える→体育館履きの廃止
・記述はノートやプリントが中心→イメージマップ
デジタル化
電算化やICTの普及は、この30年間の大きな変化がみられます。
・マトリックス等の思考ツールの活用
・どの教室にもにパソコンは当然ない→パソコン教室に40台、教室に1台
・校門や昇降口はいつも開放→常時施錠、門は電子ロック
・現金を持って行くことも→給食費ですが徴収事務を行っているのは学校ではなく教育委員会が管理、自動納付
・夜は管理人さんか来校して宿泊警備→電子警備・オートロック
設備
教室、校庭、プールなどあらゆる場所の設備が時代に合わせて変わってきています。
・プールの飛び込み台→頸椎損傷などの事故が多発。小学校は2011年度から飛び込みを禁止に。
・プールに入る前の腰洗い槽→腰洗い槽の廃止
・冷房なし→全教室にエアコン
・冬に設置される石油ストーブ→全教室にエアコン
・耐震工事なし→全学校が耐震工事
・雲梯、上り棒等遊具は独立→いろいろな機能が組み合わさった大型遊具
・消石灰 運動場のライン引きなどに使用されていた「消石灰」は強いアルカリ性で、目に入ると失明のリスクもあるため、2007年に文部科学省から改善通知が出された。
・焼却炉 焼却時にダイオキシンが発生するという近隣などの苦情を受け、1990年代後半から消えていった。
・教室にゴミ箱は1つ→分別のため3つ
親の関わり
いまだにPTAの負担は大きいですが、「父親の会」のサポートのお陰で力仕事などは軽減されつつあります。
・入学したら自動的にPTA会員という意識→入学時に入会の確認を取る
・本部役員、クラス委員の負担が大きい→一人一役など負担を分担する意識
・PTA会長以外男性の保護者の参加が少ない→「父親の会」を通して学校への関わり
・通学を見守る人はPTAの校外委員→地域の学援隊も
・連絡網に担任の自宅電話番号も記載→連絡網の廃止、連絡はメール配信
・家庭訪問ではお茶や菓子が出る→玄関先で対応
・学校に来るときに特に制限なし→名札(IDカード)の着用、インターホンで要件の確認
・学校への電話は無制限→18時以降は留守電で対応
あとがき
今も昔も変わらないのが家と先生の連絡がいまだに連絡帳で行なっているところ。
一斉休校の際も、諸外国と比べ情報機器の整備、ネットワークの整備が進んでいないため、遠隔授業ができないこともその一例です。
また、黒板を使っている学校も未だ多くホワイトボート変更してほしいと言う声もよく耳にします。
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