現在、カカオの年間生産量は、年間消費量よりも下回った状態です。
2013年には、全世界で生産量よりも7万メートルトンを超えるカカオが消費されており、今は普通に食べられるチョコレートも近い未来一般人には手の届かない存在になるかもしれないのです。
世界のカカオ豆の約40パーセントを供給している国、コートジボワール。
西アフリカに位置する共和制国家のこの国は、2002年に政治的不安から内戦が勃発、それ以来国情は不安定な状態が続いています。
これが原因で農作物を公正な価格で取引し、公に品質を保証するプログラム「フェアトレード」が停止。
以後、多くの人々が他の西アフリカ諸国へ出て行ってしまいした。
それに伴ってフェアトレード農家として正式に認められているカカオ農家の数が、大幅に減少しているのです。
今後仮に政治状態が改善されたとしても、現状まで回復させるには少なくとも3年以上はかかるそうです。
チョコレート世界大手製造メーカーの、米国「マース社」と、スイスに拠点がある「バリーカレボー社」の調査によると、2020年にはカカオの生産量が消費量より100万メートルトンも足りなくなるだろうと警告しています。
しかも、この危機を回避するのはかなり難しいとの答えが。
最大の問題は、カカオの生産が非常に難しいことにあり、カカオの苗を植えても、実をつけるようになるまでに2~3年はかかります。
さらに品質のよいカカオの実が収穫できるようになるまでに6~7年は必要と言われています。
カカオは幹に直接花が咲き実になる特殊な植物で、人工的な環境では、花から実になるのは全体の1~3%程度しかなく、非常にわずかな量しか収穫できない。
またカカオは、赤道から南北緯20度以内の範囲で、年間平均気温が27度で16度を下回ることがなく、年間降水量が1500から2500ミリメートルほどある高温多湿な環境でないと育たないのである。
さらに肥沃で水はけのよい土壌が好ましく、強風にあおられることのない海抜700メートル以下の場所が理想的で、限られたごく僅かなエリアでしか育てることができないのです。
最後に
これから行われる”バレンタインデー”では、大きな経済効果をもたらすチョコレートですが、内線が生み出した社会の現実が、まもなく実感する日が近づいています。
この生産量と消費量のギャップが今後、さらに拡大するだろうと予測されており、とても残念な気持ちです。