赤ちゃんは体重が急激に増える時期で、母親から栄養をもらいながらどんどん成長し、発育の最終段階にはっています。
この時期に万が一生まれてしまっても、生きていくことができるくらい赤ちゃんは完成に近づいています。
子宮底はみぞおちに達し、お腹がせり出しているため、身をかがめる日常動作がしにくくなります。
例えば、足の爪をきる、靴ひもを結ぶ、階段を下りるなどの動作が一段ときつくなります。
赤ちゃんの平均的な大きさ
・子宮底長 28~36cm
・子宮の容量 通常の800倍
・重さ 通常の20倍
・赤ちゃんの大きさ 42~45cm
・体重 1,400~2,200g
赤ちゃんの変化
・4頭身へと成長します。
・皮下脂肪がつき、ふっくらとした体つきになっていきます。
・髪の毛は生えそろい、爪は指先まで伸び、体脂に包まれています。
・光から目をそむけたり、様々な表情をしたり、複雑な動きもできるようになります。
・胃腸が機能しはじめ肺呼吸をすることもできるようになります。
・内臓機能が成熟し、羊水を飲んで膀胱からおしっこを排泄することができるようになります。
また、大きくなった子宮が内臓を圧迫し、マイナートラブルが起こります。
これは”第二の悪阻”とも言われています。
マイナートラブル
・動機
・息切れ
・めまい
・吐き気
・腰痛
・足の付け根や恥骨の痛み
・お腹の張り
・下痢
・便秘
・不眠など
私の場合は以下の3項目に悩まされました。
1、不眠
大きなお腹で横になることは、想像以上にキツイです。
体勢によって寝苦しく感じ、熟睡できなくなることが増えます。
また、夜中に赤ちゃんがお腹の中で動き出し目を覚ましてしまうこともあります。
2、めまい
母親の血液量は増える一方ですが、その分濃度が薄くなるので、立ちくらみやめまい、貧血が起きやすい時期。
レバーや小松菜をいくらたくさん摂っても体に吸収されるのはごく僅かなんだとか。
検診でも血液検査はしますが、めまいがひどい場合は医師に相談して鉄分の薬を処方してもらうことをお勧めします。
3、お腹の張り
臨月が近づくにつれてお腹の張りを感じる機会が増えます。
これは子宮内のスペースが減ってお腹をぐっと押されるような胎動が増えたことと、前駆陣痛が原因なんだとか。
前駆陣痛は、分娩につながる「本陣痛」とは別もので、痛みの感覚や強弱が安定せず、安静にしていると落ち着くお腹の張りです。
規則的にお腹が張る場合や、出血や破水がある場合、30分以上安静にしてもお腹の張りがおさまらない場合は、すぐに受診しましょう。
またこの時期妊婦さんを悩ませるのが、「妊娠中毒症」です。
「妊娠中毒症」の中には、妊娠高血圧、妊娠糖尿病などが含まれていますが、中でも3割の妊婦さんが妊娠後期に発症する「妊娠糖尿病」についてご説明したいと思います。
■妊娠糖尿病の原因
体の中で血糖値を下げる役割を担っているホルモンを”インスリン”といいます。
このインスリンが減少してしまうと、糖の代謝異常で血糖値が下がらなくなり、糖尿病になってしまいます。
特に妊娠中は、血液を通して赤ちゃんへブドウ糖をはじめとする栄養を供給し続けるために血液中のブドウ糖を高く保とうとする働きがあり、血糖値がより高くなりやすいといわれています。
■妊娠糖尿病の治療方法
妊婦さんの場合1日の摂取エネルギーを制限する食事療法が基本。
食事内容は、体内で糖分になる炭水化物や糖分を多く含む食べ物は控えて、野菜や食物繊維を多めに摂取することが重要です。
食事をする前に野菜や食物繊維を先に食べると血糖値を押さえるのにとても効果的です。
ここであまり心配しすぎず、妊娠糖尿病は軽い糖代謝異常の場合がほとんど。
出産後は正常値に戻りることが多いそうなので、ストイックになり過ぎず程度に食生活に気を配りましょう。
最後に
妊娠9ヶ月は様々な症状が起こり、またあまり外に外出できなくてストレスが溜まりやすい時期でもあります。
しかし赤ちゃんがお腹にいる期間は人生の中でもごくわずかで、とても貴重な時間だと思えば、辛い食事制限や、体の不調も耐えられるのが母親です。
大切なのは家族や周囲の人にこの時期の妊婦さんの体調を理解してもらい、まわりにサポートしてもらいながら、ストレスのない妊娠生活を過ごすことが重要だと思います。