2016年6月25日、ニューヨークのストリートスナップを撮り続けたファッションフォトグラファーのBill Cunningham(ビル・カニンガム氏)が亡くなりました。
NYのファッションフォトグラファーでコレクション会場では名物的な存在のビル・ カニンガムが死去したことを、6月25日付の”The New York Times”(ニューヨーク・タイムズ紙)が伝えました。
享年87歳。
87歳の高齢とはいえ、亡くなる直前まで元気に活動していたので、ファッション関係者や多くのファンが衝撃を受けています。
ビル・カニンガム氏の半生
1929年、 アメリカ・ボストン生まれ。
ハーバード大学を中退後、米百貨店ボンウィット・テラーの広告部でキャリアをスタート。
間もなく、自身のブランド「WILLIAM J.(ウィリアム J.)」を立ち上げ、帽子デザイナーとして活動したが、朝鮮戦争への徴兵を機に廃業した。
その後、米「WWD」でファッションジャーナリストとしての活動を経て、「ニューヨーク・タイムズ」に所属。
ストリートスナップ写真家の先駆者として知られる同氏は、セレブリティーやモデルだけでなく、一般の人々のファッションもとらえ、同紙にコラムを寄稿。
トレードマークは青いジャケットと自転車。
マンハッタンの5番街やショー会場などで撮影を行っていました。
またニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム「 EVENING HOURS」を長年担当していました。
ビル・カニンガム氏の仕事ぶり
”The New York Times”といえばニューヨーク市に本社を置くアメリカの日刊新聞社。
1851年から創刊を始めたニューヨークタイムズの、ファッションのページを50年間担当しているのが、ビル・カニンガム氏なのです。
ニューヨークの街に繰り出し、お金や名声に惑わされること無く自分の感性を信じて写真を撮り続けるビル・カニンガム氏。
名声を手に入れても奢ることなく、ファッションと同様人に対しても真摯に当たる彼の姿は胸を打つものがありますね。
被写体は、プロのモデルや、セレブから、普通の人まで。
要は、ビルが美しい、と思った女性たち。
これだというファッションの人のスナップを撮っていくビル・カニンガム氏はとってもファッションに対して本当に真摯な人物なのです。
彼は「写真家じゃない、ただ見たものを撮り、記録しているだけ」と言っていたそう。
ビル・カニンガム氏をもっと知る
2011年には、ドキュメンタリー映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」が公開されています。
タイトル:ビル・カニンガム&ニューヨーク
初公開日: 2011年3月16日
DVD発売日:2011年9月13日
製作国:アメリカ合衆国
プロデューサー:フィリップ・ジェフター
撮影:リチャード・プレス、トニー・セニコラ
出演者:アナ・ウィンター、アイリス・アフェル
彼の撮るものは知っているけれど、どこに住んでいるのか、家族はいるのか、まったく知られていなかったビル・カニンガムの素顔に迫ったドキュメンタリー映画の中で見えてきた彼の人物とは。
最後に
ニューヨークの街角で50年以上にもわたりファッショントレンドを撮影してきたビル・カニンガム氏。
アパレル関係の人なら必ず知っている大物フォトグラファー。
ドキュメンタリー映画の中でも、ビル・カニンガム氏ならではの感性を生かしたスナップ写真がみ観れます。