今日ご紹介する本は、薬丸 岳さんの「友罪」です。
タイトル :友罪
著者 :薬丸 岳
出版社 : 集英社
出版日 :2015年11月25日
Kindle価格 :847円
ジャンル :文庫
薬丸 岳(やくまる がく)
1969年兵庫県生まれ。
1988年、駒澤大学高等学校を卒業。
2005年に少年法をテーマにした「天使のナイフ」で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
2016年「Aではない君と」で第37回吉川英治文学新人賞受賞。
日本推理作家協会現会員。
ウィキペディアより: 薬丸岳
内容紹介
あなたは“その過去”を知っても友達でいられますか?
埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。
無口で陰のある鈴木だったが、同い年の二人は次第に打ち解けてゆく。
しかし、あるとき益田は、鈴木が十四年前、連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた「黒蛇神事件」の犯人ではないかと疑惑を抱くようになり。
少年犯罪のその後を描いた、著者渾身の長編小説。
2016年に出版された「Aではない君と」もそうですが、神戸の酒鬼薔薇聖斗の事件がモデルになっているようです。
きっと誰もがこの作品を読めばあの事件を思い出すと思います。
それだけリアリティでスリリングに書かれています。
この本では被害者側のことはあまり書かれておらず、どちらかというと容疑者側の少年を擁護する形で描かれています。
確かに理解しがたい残虐な事件を起こしてしまって、報われ許されることは決してありませんが、根本をたどると容疑者の親の育て方が大きく関係あるのではと感じました。
ただ、容疑者の少年は生涯国から守られ、資格をとったり充実した生活を送っている事実を知り愕然となりました。
子どもを惨殺された上に、さらに追い討ちをかけるように報道されている被害者のご遺族のことを思うと居た堪れない気持ちになります。
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あとがき
タイトル通り、重い内容ですが、文書の滑りが良く、スラスラと一気に読めてしまいます。
登場人物達も全員、訳ありのため物語としては面白いです。