インド経済が成長軌道に乗りつつある中、収入が増え海外旅行に出る人が多くなり、他国の料理に触れる機会も増えてきている。
それに伴い人々の所得が増えれば、もちろん食の好みにも変化が生まれてくる。
さらに、インドでは肉食そのものだけでなく、肉食について語ることがトレンドになっているのだという。
米国の大手ファストフード店『マクドナルド』は、ヒンドゥー教が多いインドには”ベジタリアンバーガー”を置いている。
パテを野菜コロッケにし、インド特有の辛みソースをかけたものが、当時はインドの富裕層や外国人旅行者によく売れたそう。
また同じく米国のハンバーガー店「ジョニー・ロケッツ」もインドに参入し、ベジタリアンバーガーを投入している。
ベジタリアンやヴィーガン(動物から採れる卵や牛乳も口にちない)ブームは先進国を中心に広がっており、特にニューヨークでは、”グローバルスタンダードラーメン”と呼ばれる、野菜を使ったラーメンが話題をよんでいます。
野菜だけでダシをとり、トッピングには野菜、油揚げ、チーズなど肉以外の食材が使われている。
そんな世界の潮流に逆らうように、インドでひろがりつつある肉食ブーム。
経済の中心地ムンバイでには、厳格な菜食主義で知られるジャイナ教徒や、ベジタリアンが多く住むとされるグジャラート州出身者が集まる地域だが、ここでさえも肉食ブームが広まってきているそうです。
中でも鶏肉の需要が伸びており、インドの鶏肉市場は年12%の速度で成長しており、世界でも有数の成長市場となっている。(インドの国家統計「全国標本調査」より)
最後に
肉食化の背景にあるのはインドの経済成長があります。
とはいっても全体の一部に過ぎず、食べる物がなく極貧の生活を強いられている子供たちも現にいます。
確かに当時はお肉料理を出すお店が少なく、インドを約3週間旅をいて一番美味しかった物といえばマックの”マハラジャバーガー”(パテは鶏肉でカレー風味のハンバーガー)で、それにとても感動した覚えがあります。
インドの肉食市場は今後も拡大する可能性が高く、旅行者にとっても嬉しいことですが、インド本来の素朴な生活がなくなってしまうようで、複雑な気持ちがします。