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林真理子「着物を巡る物語」は着物の素晴らしさと、着物を愛し続けてきた女性たちの執念が深く込められている

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林真理子、着物を巡る物語、伝統、歴史、素晴らしい

今日ご紹介する本は、林真理子氏の「着物を巡る物語」。

林真理子
「着物の悦び」は今から16年前のエッセイ。
林さんのお父様は加賀友禅の吹田完さんで、林氏自身も着物にはまっていたんだという話しを聞きました。
「着物を巡る物語」は着物をもつ女性の愛や執念、恨みなど、その人の生きてきた人生が深く刻まれています。

林真理子、着物を巡る物語、伝統、歴史、素晴らしい

内容
・夫と息子に先立たれ、雪深い里で黙々と機を織る老女の幸せとは。

・歌舞伎座に現れた「藤娘」の幽霊の思いとは。

・唐子の着物をほめてくれた混血の美青年が戦時中にたどった運命。

・夫と息子に先立たれた老女が黙々と織る越後上布。

・男に翻弄されたホステスが遺した大島。

・老境を迎えた辰巳芸者の着物への執念。

全て着物にまつわる物語で、戦後・戦前のことに関して無知ですが、逆に想像力をかき立てられ、当時の時代背景や風俗などが、色鮮やかに蘇えるようです。

林氏の短編集や長編小説は、どれもとても読みやすく、読んでいるだけで林氏の人柄が伺えます。

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和服、着物(きもの)とは、日本在来の衣服のことで、近年では日本における民族服ともされています。

着物を作る者、着る者の人生が織り込まれる着物。

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畳紙に包まれ密やかに時を刻んでいた着物が、繙かれ鮮やかに現代に語り始めます。

何故着物がこれだけドラマチックで、ひんやりする気持ちになるのかというと、その時代にあります。

林真理子、着物を巡る物語、伝統、歴史、素晴らしい

女性が皆着物を着ていた時代は、戦前、戦後を生きた情勢たちの、儚く、過酷な時代だったからと思います。
着物は洋服と違い、とっても個性的で、帯の合わせ方、結び方によって表現がかわってきます。

今古着市や骨董市に出されている着物にも、実は一枚一枚物語があり、それを辿れば1人の女性の人生が見えてきます。

時に哀しく、時に数奇な、着物をめぐる色とりどりの物語11編は次々と織りなすストーリーに深く入り込んでしまう作品です。

読み終わると着物に対する情熱が沸き、もっと知りたい、袖を通してみたいと思わずにはいわれなくなります。

この話しは男性でも読める本です。

林真理子、着物を巡る物語、伝統、歴史、素晴らしい

最後に

着物を巡る短編物語は、様々な視覚から着物や着物を含む日本の芸術、文化の大切さを感させる作品です。
自分の母も大事にしていた着物にも、きっと深い思い出があるのではないかと興味をかき立てられました。
最近は成人式に着るくらいで、冠婚葬祭でも洋式の人が増えており、着物を扱うお店は、オンラインショップで試着なしに購入したり、着物をレンタルする時代に移行してきており、日本の文化的な物が失われていくようで、寂しく思います。

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