今日のおすすめする本は青山七恵さんの「ひとり日和」です。
著者の瑞々しい透明感が、カバーデザインから感じられ惹きつけられた一冊。
「ひとり日和」は 第136回芥川賞受賞作。
短篇「出発」を併録しています。
タイトル:ひとり日和
著者:青山七恵
出版社:河出書房新社
出版日:2010月3月5日
ジャンル:文庫、文芸
価格:562円
青山七恵
第136回(平成18年度下半期) 芥川賞受賞。
その後「すみれ」「かけら」「窓の灯」を出版しています。
あらすじ
20歳の知寿は自分を表現するのが苦手な、よくいる現代のちょっと冷めた女の子。
ひょんな事から知寿が居候することになったのは、母の遠い親戚の71歳の吟子さんと2匹の猫が住む家。
駅のホームが見える小さな平屋で共同生活を始めた知寿は、大学には行かずキオスクでアルバイトを始め、普通に恋をし、時には吟子さんの恋にあてられ、少しずつ成長していきます。
知寿が一緒に暮らすことになった吟子は、つつましい静かな女性だが、同年代の男性とダンススクールやご飯を一緒に食べたり、恋愛のようなものをしている。
日々の生活の中であまり大きなアクションは起こらず淡々と過ぎていく毎日だが、一緒に住みその暮らしの中で知寿は少しずつ変わり始める。
一時付き合った駅員の彼氏とそこに割ってはいる彼の同僚の女。
そして度々出てくる知寿とは性格が正反対の母親。
最後に
感性と表現力はさすがだと思います。
しかし芥川賞受賞作品ということで期待して読み始めると、少々拍子抜けしてしまう作品でした。
登場人物も限られており、知寿をとりまく狭い世界の中で繰り広げられるごく普通の日常が、物足りないようでいて逆に身近なストーリーなのででスラスラと読み進められる本だと思います。