今日ご紹介する本は森浩美氏の「家族の言い訳」です。
家族は深い結びつきがありながらも、時には厄介で面倒な存在。
目に見えない家族の絆をいつまでも大切にしたいと思える内容。
自分が親になって初めて自分の育った環境や、家族に感謝できる心が温かくなる一冊です。
タイトル:家族の言い訳
著者:森浩美
出版社:双葉文庫
出版日:2008年12月10日
価格:647円
ジャンル:短編小説
森浩美 (もり ひろみ)
日本の作詞家、小説家。
放送作家を経て、1983年より作詞家をはじめる。
作家・脚本家としても盛んに活動しており、SMAPやKinKi Kids、MAXなど有名アイドルグループの作詞も手がけていることで有名です。
現在までの作品総数は700曲を超えています。
(ウィキペディアより)
あらすじ
家族に悩まされ、家族に助けられる。
誰の人生だってたくさん痛み・苦しみ・そして喜びに溢れている。
作詞家の森浩美氏が小説を描くと、人のまっすぐな人生がそこに表現され、読んでいて素直な気持ちになれる一冊です。
印象に残った作品は、「おかあちゃんの口紅」。
ちょっとしたボタンの掛け違いで、母親の愛情が素直に伝わらない。
ラストは病院で密かに息子を想う気持ちが切なさを感じます。
「ホタルの熱」「おかあちゃんの口紅」は、ラジオドラマや入試問題にもなった感動作です。
8編の短編集
■ホタルの熱
■乾いた声でも
■夜空への寄り道
■カレーの匂い
■柿の代わり
■おかあちゃんの口紅
■イブのクレヨン
■粉雪のキャッチボール
最後に
夫婦、親子、どの家族にも、不安や不満を抱え形の異なる問題はあります。
そんなごく身近にあることがらを、素直に生きることの難しさや、やさしい心を思い出させるような短編集です。
やり手のキャリアウーマン、事業に失敗して破産寸前の男性、素直に母親の愛情を受け止められない男性など、森浩美さんが書く様々なストーリーは多種多様で飽きません。
様々な家族の形に自分と照らし合わせて読んだりと、どれも心に残る作品です。