今日ご紹介する本は、中原清一郎さんの「カノン」です。
タイトル :カノン
著者 :中原清一郎
出版社 : 河出書房新社
出版日 :2016年12月3日
Kindle価格 :950円
ジャンル :文庫
外岡 秀俊(そとおか ひでとし)
1953年、北海道札幌市生まれ。
1976年東京大学在学中に、外岡秀俊名義で書いた「北帰行」により文藝賞を受賞するが、その後小説を書くことはなく、1977年に卒業後、朝日新聞社へ入社。
学芸部、社会部記者、ニューヨーク、ロンドン特派員、論説委員、ヨーロッパ総局長を経て東京本社編集局長。
別名に中原清一郎。
ウィキペディア: 外岡秀俊
内容紹介
末期ガンで余命一年を宣告された58歳の寒河江北斗。
記憶を失う病に冒された、幼い子を持つ32歳の氷坂歌音。
男は延命のため、女は子供のため「脳間海馬移植」を決意し、互いの肉体に“入れ替わる”。
北斗は意識は男のまま家事仕事子育てに苦悩しながら懸命に女性になりきりカノンとして生きていく。
神について一言も言及せずに、人間の心を支配するのが神であることを伝える傑出した小説。
カノンという新たな人間をつくりだす、身が震えるほど感動的な新生のドラマ。
具体的設定は近未来の極めて特殊な状況でありながら、昨日と今日、そして明日を生きている読者ひとりひとりの喜びと苦しみ、或いは普遍的な幸福と孤独に作品の側から寄り添ってくれる。
命、終末、家族、性等問う感動作。
「こころ」とは何か、「自分」とは何かを考えさせられるストーリーです。
しかし、そんな大問題を振りかざすことなく、読み進めるうちにジーンと涙が出てくる。
同じ立場になった時、カノンと同じ決断を自分も出来るだろうか考えてしまう。
あとがき
それぞれ立たされた状況から何とか前へ進もうとする姿に感動します。
先が気になって最後まで一気に読んでしまわずにはいられませんでした。