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センチメンタルでナイーブでピュアな物語「吉祥寺の朝日奈くん」中田永一

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センチメンタル、ナイーブ、ピュアな物語 、吉祥寺の朝日奈くん、中田永一
今日ご紹介する本は、中田永一さんの「吉祥寺の朝日奈くん」です。

愛の永続性を祈る心情の瑞々しさが胸を打つ表題作など、切ない5つの恋愛模様。

タイトル:吉祥寺の朝日奈くん
著者:中田永一
出版社:祥伝社
出版日:2012年12月12日
価格:669円
ジャンル:文庫

中田永一(なかた えいいち)

1978年10月21日生まれ。
日本の小説家、自主映画監督。
日本推理作家協会会員、本格ミステリ作家クラブ会員。
山白朝子(やましろ あさこ)や乙一(おついち) の別名義でも小説を執筆しています。
第61回小学館児童出版文化賞に中田永一さんの『くちびるに歌を』(小学館)が受賞。

あらすじ

1、「交換日記はじめました!」
恋人同士の圭太と遥が内緒で交わしていた交換日記。
2人だけの秘密だったはずが、たらい回しにされる交換日記がやがて思わぬ親密さを生みます。
2、「ラクガキをめぐる冒険 」
高校二年のときにクラスメイトだった遠山真之介。
五年後の今、不思議なことに同級生の誰も彼のことを憶えていない。
数年ぶりに彼に再会するが、ラストは思いがけない展開がまっています。
3、「三角形はこわさないでおく」
ツトムと小山内さんと、俺。
三角関係の深化が恋心と友情とをともに成熟させていきます。
微妙なバランスの三角関係の物語。
最後まで爽やかで気持ちがいいストーリーです。
センチメンタル、ナイーブ、ピュアな物語 、吉祥寺の朝日奈くん、中田永一
4、「うるさいおなか」
私のおなかは、とてもひんぱんに鳴る。
そのせいでどうしても積極的になれなかった私の前に、春日井君があらわれた。
彼には他の人にない不思議な力がある。
5、「吉祥寺の朝比奈くん」
吉祥寺に住んでいる僕と、山田さんの、永遠の愛を巡る物語。
吉祥寺の喫茶店に勤める細身で美人の彼女に会いたくて、僕はその店に通い詰めていた。
とあるきっかけで仲良くなることに成功したものの、彼女には何か背景がありそう。
不倫一歩手前の関係性が本当に他ならぬ人への愛とは何かを熟慮させることとなります。
何げない行為や表情で心の奥の感情を示唆するという巧みな表現がみごとです。
「吉祥寺の朝比奈くん」の最後に暴かれる事実は、まるでトリック映画を見ているような仕掛けがされてて素晴らしいです。
読み終えてからもう一度最初から読み直したくなるような衝動にかられます。
いずれも感動的でした。
センチメンタル、ナイーブ、ピュアな物語 、吉祥寺の朝日奈くん、中田永一

最後に

センチメンタルで、ナイーブで、ピュアな青春物語。
話の展開にぐいぐいと引き込まれ、一気に読んでしまいました。
恋愛を扱っているけれど、不器用な人々が登場するので、どこかほのぼのとしています。
意外な展開や、納得のゆく結末にも感動を覚えます。

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