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生理に関するヒンドゥー教のタブー「チャウパディ」という習慣

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アチャム郡ガジャラ村などネパールの極西部には、生理中の女性をけがれた存在と見なして村から追放する「チャウパディ」の習慣が今も残っています。

チャウパディとは

チャウパディは何百年も前から続くヒンドゥーの習慣で、生理に関するヒンドゥー教のタブーに由来します。

血を不浄とするヒンズー教の考えに迷信が重なった、歪んだ慣習。

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2011年の国連報告書によると、生理中の女性はほかの人や家畜、野菜、植物、果実に触れることも禁止されるそうです。
牛乳や乳製品の摂取も許されず、水道や井戸の使用は制限される生活。
このような少女たちが隔離される「生理小屋」は小さな入り口が1つあるだけの粗末な造り。
衛生状態は悪く、窓がないため通気も悪いため、度々煙の吸引
による死亡事故が起こっています。

古い迷信が今も伝わる

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「この習慣を破れば神が怒って、寿命が縮んだり家畜や作物が死ぬ」と信じている地域が今もあるそうです。
またある人は「女性が触れた果実は熟す前に落ち、水に触れれば井戸は枯渇する」と信じる人もいるんだとか。
現代社会では信じがたい話ですが、地域によっては教育の神を怒らせるという恐れから生理中の女性が本を読んだり触れたりすることさえ禁じることもあるといいます。

チャウパディ撲滅のガイドライン

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ネパールの最高裁判所は2005年にチャウパディを違法とする判断を示し、政府はその3年後、チャウパディ撲滅に向けたガイドラインを公表しました。
しかし、それでも西部の山間部などには、今もその習慣が根強く残ります。
ガジャラ村は2015年にチャウパディ撲滅を宣言しましたが、アチャム郡の当局者によると、同郡の女性13万8000人のうち70%以上が今もこの習慣に従っているといいます。
政府の統計によるとガジャラ村の人口は約1500人。
チャウパディ撲滅宣言は90%を超す世帯がこの習慣をやめた時点で宣言されています。
しかし「地元の霊能者が村に起きた不幸は少女や女性がチャウパディの伝統を破ったためだと言いふらし、家族が娘や妻を再びこの習慣に従わせている」。
(女性・児童・社会福祉省広報による情報)

最近起こった死亡事故

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ネパール西部ヒマラヤ山脈の山奥にある小さな小屋に寝泊まりしていた15歳の少女が、暖を取ろうとしてつけたたき火の煙を就寝中に吸い込んで死亡したというニュースをみました。
少女は生理中だったことを理由に集落から引き離され、この小屋で1人きりで過ごしていたそう。
アチャム郡警察によると、この1カ月で死亡したのはこれで2人目。
このアチャム郡だけで過去9年の間に10人の少女が同じような小屋で死亡しているんだとか。
主な死因は煙の吸引のほか、ヘビにかまれたり基本的な医療を受けられなかったために死亡する少女もいたといいます。
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最後に

筆者も昔ネパールを訪れたことがありますが、女性は入れない寺院があったり、食事はまずはゲストや男性が食べてから、子供、女性の順番で食事をします。
特に農村部では少し歪んだ言い伝えが今でも信じられていて、女性はさまざまな人権的被害にあっています。
さまざまな背景や宗教上の習わしは、伝統を受け継ぎ素敵な部分もありますが、一方女性がそのターゲットにされ、女性側も昔から伝わるものなので、あまり声に出さないというのが実情なのです。

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