五木氏の代表作品「人生の目的」「他力」「大河の一滴」にも関連した内容ですが、行きずまった時や悩んでいる時に読むと心が軽くなるそんな内容にまとまっています。
作者:五木寛之
タイトル:不安の力
出版社:集英社
製作年:2005年7月15日
文庫:288ページ
カテゴリー:エッセイ・随筆
価格:518円
▪️あらすじ
今の時代不安を抱かない人はいない。
不景気、失業、政治への不信感、将来の不安、失われていく若さ、外からは見えない「こころの病気」。
しかし不安を感じることこそ正常ではないかと著者は説きます。
不安を受け入れることで、不安は希望になり、人を支えていく大事な力にもなる。
人は誰しも悩みがなく平坦な人生では終わらないのです。
身近な不安をテーマに、著者の論理が光る希望の書。
五木氏のエッセイで必ず出てくるフレーズがリア王の言い回しで「人間は泣きながら生まれてくる」、そして「一滴の水もやがて大河に繋がる」。
つまり人間は生まれた時から不安や苦難が待ち構えているということと、人の人生は大河の一滴のように儚いということを伝えようとしています。
日本人全体への憂愁、共感、反発がわかりやすい文体で書かれているので幅広い世代でもすんなり心にはいってくる内容です。
そう、五木氏は仏教知識が豊富で、自分の体験と知識が加わって自己啓発書を読んでいるようだけれども、五木氏の書く自己啓発書は難しい専門用語は出てこないのでとても読みやすいです。
最後に
世界の構造そのものが極端に病む今、社会にはさまざまな不安が満ちています。
人生山あり谷ありで、自分だけが辛いわけではないと私は思います。
そんなどうしようもなくどん底に落ちてしまってもがいている時に五木氏の本を読むと、これも人生と割り切って気分が軽くなるのがわかります。