イタリア版「VOGUE(ヴォーグ)」の編集長、Franca Sozzani(フランカ・ソッツァーニ)が一年間の闘病の末、12月22日(現地時間)に死去しました。
享年66歳でした。
今月初め、ソッツァーニはこれまでの功績を評され、「スワロフスキー・アワード・フォー・ポジティブ・チェンジ」を受賞。
9月には、息子のFrancesco Carrozzini(フランチェスコ・カロッツィーニ)が彼女のドキュメンタリー映画「フランカ:混沌と創造」を発表したばかりでした。
現代 :Franca: Chaos and Creation
タイトル :フランカ:混沌と創造
製作国 :イタリア
出版日 :2016年9月
監督 :フランチェスコ・カロッツィーニ
ジャンル :ドキュメンタリー
ドナテラ・ヴェルサーチからカリーヌ・ロワトフェルドまで、ファッション業界は彼女を失った悲しみに暮れていいます。
フランカ・ソッツァーニは1950年、イタリア北部のマントヴァ生まれ。
1988年にイタリア版「VOGUE(ヴォーグ)」の編集長に就任。
ファッションにおける美を追求したテーマでVOGUE誌の可能性を広げた先駆者でした。
ソッツァーニは哲学と文学を大学で学び、卒業後に「VOGUE BAMBINI」で働き始めました。
クリエイティブな人たちとネットワークを広げ、その後30年以上も彼らと共に働くこととなります。
スティーブン・マイゼルは、最も近しいコラボレーターの1人としても知られています。
ソッツァーニは、マイゼルがイタリア版「VOGUE」のあらゆるカバーを手がけることができるよう協力し、当時ファッション業界に存在していた規則を打ち破ったのです。
他にもブルース・ウェーバーやピーター・リンドバーグをはじめ、多くのフォトグラファーを支持してきました。
またファッションと人種差別、家庭内暴力や整形手術に対する執着など、あらゆる分野との境界線を取り払うエディトリアルを刊行。
2008年の革新的な「ブラックイシュー」では、一冊を通して有色人種の女性たちのみをフィーチャーしました。
一方、慈善家としても知られており、国連親善大使としても活動し、長年にわたって多くの賞を受賞しています。
最後に
アメリカ版ヴォーグの「Anna Wintour(アナ・ウィンター)」と同じく1988年から28年にわたってイタリア版ヴォーグの編集長を務め、ファッション界で功績を残してきた人物。
コレクション会場では常に最前列に座る姿が定着していました。
自らの強い意思や決意、勇敢さ、美しさ、大胆なイマジネーション、そして社会情勢に対する独自の見解を、ファッションという形で表現してきた人物は他にいないと思います。