今日ご紹介する本は萩原浩さんの「明日の記憶」です。
タイトル :明日の記憶
著者 :萩原浩
出版社 : 光文社
出版日 :2004年10月20日
価格 :1,620円
ジャンル :文庫
萩原浩(おぎわら ひろし)
1956年埼玉県生まれ。
広告制作会社を経て、1997年、「オロロ畑でつかまえて」で「小説すばる新人賞」を受賞しデビューしました。
軽妙洒脱、上質なユーモアに富んだ文章には定評があり、行間に人生の哀歓が漂う。
ウィキペディアより: 荻原浩
内容紹介
知っているはずの言葉がとっさに出てこない。
物忘れ、頭痛、不眠、目眩。
告げられた病名は若年性アルツハイマー。
「まずお歳を聞かせて下さい」「ここはどこですか」「次の三つの言葉を覚えて下さい。あさがお、飛行機、いぬ」「今日は何曜日ですか」「さっきの三つの言葉を思い出して、言ってみてください」
人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。
どんなにメモでポケットを膨らませても確実に失われていく記憶。
悲しくもほのかな光が見える感動の結末。
高齢化社会の日本で度々耳にする認知症。
そんなシリアスなテーマに挑んだ最高傑作です。
年々身近な病気になりつつあるアルツハイマーと闘病を続ける主人公と、その家族、環境を主観によって描いた内容。
認知症と診断された患者の戸惑いや焦り、不安、憤り、自分自身への慰め。
これから一緒に戦っていかなくてはならない奥さんの気持ちも伝わってきます。
介護の難しさなど、体験していない私にはまだとても想像が付かないですが、認知症はわりと身近な病気なので怖いです。
あとがき
読みやすいですが、小説と言うよりも手記を読んでいる様でリアリティーさが伝わってきます。
読んでいてこちらの方がハラハラして来ます。
自分には起こらないとお考えの人でも手にとって読んでほしいです。