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人間くささがじんわりとくる「床屋さんへちょっと」山本 幸久

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人間くささ、床屋さんへちょっと、山本 幸久

今日ご紹介する本は、山本幸久さんの「床屋さんへちょっと」です。

タイトル :床屋さんへちょっと
著者 :山本 幸久
出版社 : 集英社
出版日 :2012年8月21日
文庫 :478円
ジャンル :文庫

山本 幸久(やまもと ゆきひさ)

1966年東京都生まれ。

妻のすすめで書いた小説「アカコとヒトミと」が世田谷文学賞にて3席を受賞。

2003年『笑う招き猫』で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。

ウィキペディアより: 山本幸久

内容紹介

人間くささ、床屋さんへちょっと、山本 幸久
宍倉勲は20代半ばで父が興した会社を引き継いだが、石油ショックなどもあり、15年後にあえなく倒産させてしまった。

罪悪感をぬぐえないまま再就職し定年まで働き退職。

そして人生の定年を迎えようとしているそんな父の背中を見ていた娘。

「あたし今度、自分で店、開くんだ」。

海外出張先への国際電話で娘に告げられ、宍倉勲は絶句した。

就職したばかりの大手企業をすぐ辞めてしまったと思ったら、今度は何を言い出すのか。

家で、会社で、時には一緒の床屋さんで。

何気ない会話が、父から娘に伝えられたものとは。

彼と娘との関係、家族の歴史を時をさかのぼりながら描く連作長編。

軽いタイトルの割に、書かれた内容は一人の男の人生と、その家族の物語。

床屋さんが家族の思い出のところどころに出てきて、一つの家族の愛情にあふれた内容です。

主人公の勲はどこか飄々として、それでいて人生の厳しさと温かさと寂しさと、人生そのもののような味わいを感じさせてくれます。

あとがき

「床屋」という場所を軸に描かれた一人の男性とその家族の物語。
まさに、どんな家族にも歴史があり、そのことを本書は思い起こさせてくれる、そんな一冊だと思います。
山本氏の他の作品を読んでみたくなりました。

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