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女子はお金がかかるだけ。生まれる前から選別を受ける、驚くべきインドの慣習

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以前、インド北東部にあるトリプラ州の男が、「娘はいらない。息子が欲しかった」と、9歳の実の娘を生き埋めにして殺人未遂で逮捕されたというニュースを耳にしました。

男児偏重の風潮が残るインドでは、胎児の性別が女と分かって人工中絶を望む親が後を絶たないといいます。

■インドの男女比率
・男の子 1,000人
・女の子 914人
■世界の男女比率平均
・男の子 1,000人
・女の子 934人
このデータからも女の子が生まれる前から選別を受けていることがわかります。

不正なお金を受け取る医師

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一部の医師は、高額の料金と引き換えに性別の告知に応じているそうです。
マハラシュトラ州の医院で、妊婦に1万2500ルピー(約2万1000円)の告知料を請求する医師。
妊婦は支払いの場面を一部始終、隠しカメラで撮影し告発された医師は性別選択の医院を経営し、中絶で不正に金をもうけていたとして有罪判決を受け、禁錮3年と罰金の刑を言い渡されました。

そんな中、活動家の努力も

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現状を懸念する西部マハラシュトラ州の活動家らが、性別選択に手を貸す医師らの告発に取り組んでいます。
インドでは1994年に性別選択を禁止する法律が制定され、性別を判定できる超音波検査の装置を使う医師に登録が義務付けられ、地方当局が啓発活動を進めることも盛り込まれました。
しかし、15年たった今でも法を執行する「政治的意志」が欠けていると指摘されています。
1994年の禁止法は抜け穴が多く、団体を設立した活動家、バルシャ・デシュパンデさんらの働き掛けで2002年に改正されています。
当局が法の執行態勢を強化しない限り、中絶を止めるにはこれが唯一の道だと、デシュパンデさんは話しています。
活動を始めた当初は、安い録音機を持って自ら証拠を集めていたそうです。
今ではホットラインに入る市民からの通報に基づき、ボランティアの妊婦が医院に出向く手法を取っています。
デシュパンデさんによると、同団体では2004年以降20人を有罪に追い込んだという。

インド伝統的な結婚「ダウリー制度」

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インドでは、胎児が女だという理由で毎年500万~700万件の中絶手術が行われていると推定されています。
なぜなら、息子は価値がある資産として扱われるのに対し、娘は将来結婚する時、嫁ぎ先に家財道具一式や結婚持参金を送る慣習(ダウリー制度)があり、負債と考えられてしまうからです。
ヒンドゥー教徒の行動を規定した「マヌ法典」の一節にもこう書かれています

「幼き時は父に、嫁しては夫に、老いては息子に従うべし。げに女の自立はなしがたし」

女性は一生男性に従わなければならないという考え方に基づいた制度です。

最後に

インドやパキスタンでは古代から男児選好が続いています。
政府はこれといって何の対策もとっておらず、男女の人口比率は不自然なままの状態。
ダウリー制度もあって「息子は稼ぎ頭になるが、娘はお金がかかって邪魔だ」という考えになってしまっているのです。
そうした背景から、娘を妊娠したとわかると中絶する例も後を絶たず、悪化の一途をたどっています。

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